オーディオ・ビジュアルライター「折原一也」氏による【K371-Y3】のレビュー記事を公開しました
日頃からイヤホン・ヘッドホンの音質レビューを手掛けていると僕にとって、スタジオヘッドホンは本来のあるべき理想の音を、揺らぎなく持つためのリファレンス。そんななかで、登場したAKG「K371-Y3」は大口径50mmドライバーを搭載し、40kHzまでのハイレゾの帯域をカバーする最新の密閉型スタジオヘッドホンだ。 AKG「K371-Y3」で鳴らす宇多田ヒカルの『あなた』。その音を聴いて、改めて楽曲の秘めていた情感の素晴らしさに気付かされた。歌声のその揺らぎさえ音楽の一部として捉えるような表現、ピアノの音の響きまで情感たっぷりに伝えるニュアンスの表現、冴え渡るシンバルのキレに、オーケストラの壮大さとセパレーション。ハンドクラップの音が拡散していく余韻までも描かれる。僕は数年前から開放型の「K712 PRO」を音質ファレンスをして、ダイレクトに飛び込む音を聴く事を理想と捉えてきた。だが、密閉型AKG「K371-Y3」を聴くと、密閉型でしか到達できない表現の世界に気づかされる。 リスナーの多くが密閉型ヘッドホンやイヤホンで音楽を聴く今の時代、AKG「K371-Y3」は表現の新基準に相応しい逸品だ。
折原一也氏
専門誌やWEBでイヤホン・ヘッドホンのレビューを多数手掛けるオーディオ・ビジュアルライター。高級ポータブルオーディオから、ワイヤレスイヤホン・ヘッドホンまで年間100機種以上を試聴している。