K812レビュー - 飛澤正人氏
レコーディング・エンジニア「飛澤正人」が語るK812の魅力
Dragon Ash、SCANDAL、THE野党などを手掛けるレコーディング・エンジニアの飛澤正人(とびさわまさひと)氏。レコーディング専門誌などでも、数々のテクニックを披露されており、ご存知の方も多いと思います。
その飛澤氏に、AKGが満を持して送り出したモニタリング用ヘッドホンのフラッグシップ・モデル「K812」を試していただき、その感想をお伺いしました。
ヒビノ: K812を初めて見たときの印象は?
飛澤氏: アルミダイキャストでできた筐体は頑丈で強固なイメージでしたが、ブラックを基調としたシンプルなデザインはとても好感が持てました。
ヒビノ: 装着感は?
飛澤氏: とにかく独特な装着感ですね。耳の後ろにも空間ができるほどイヤーパッドの内側が広い立体構造になっていて、その独特の構造が生み出す音はとても繊細でクリアーです。まるでスピーカーの前にいるかのようなこの自然な音場空間はまさに“未知の感覚”でした。やや重めには感じるものの、ホールド感がほどよくしっかり密着するので長時間の作業でも苦になりません。
ヒビノ: 具体的なサウンドの印象は?
飛澤氏: オープンエアーならではの余裕が感じられ、とても透明感のあるクリアーな音がします。特に「定位感」が素晴らしく、「奥行き」や「距離感」を的確に表現できているので、目をつぶって音を聴いているとLRのステレオ空間の中に各プレイヤーのリアルな姿が浮かび上がってくる感じがします。これほどの表現能力があれば音場創りでの配置で手探りになることはなく、自然な定位と広がりを構築することができますね。
サウンドカラーはややハイ上がりの印象ですが、決して硬過ぎることはありません。5KHzぐらいから上の伸びが素晴らしく、1点の曇りのない空間が広がっているイメージで、その澄んだ高域成分に程よく中域と低域がブレンドされている感じですね。また、MacBook Proのヘッドホン端子に直挿ししても十分な音量と音質で再生してくれるので、モバイル環境でのDTM制作でも迷いなく作品を良い方向に導いてくれると思います。
ヒビノ: 最後に、K812を一言で表すと?
飛澤氏: “音楽の都”ウィーンで生まれたこのK812はリスニングユースはもちろんのこと、部屋の広さや環境に左右されることなくハイレベルなモニター環境と未知の感覚を音楽制作に提供してくれます。まさに“巧み”という言葉がピッタリなヘッドホンですね。
ヒビノ: ありがとうございました。
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