かわさき宙(そら)と緑の科学館様 プラネタリウム
星空の美しさとリアルさを追求した最新鋭のプラネタリウム「MEGASTAR-Ⅲ FUSION」。
数多くの空間をプロデュースしている井出祐昭氏による音響デザイン。
2012年4月オープン
投影機とドームスクリーン(左)、
パワーアンプとシグナルプロセッサー(右): 18 m水平ドーム、202 席。スクリーン裏、 天頂にフルレンジスピーカーを4台、周辺に8 台、サブウーファーは周囲に4 台配置。 |
コンソール(操作卓)の音響ブース: 音量調整やBGM 等の音源再生を行うほか、方 向パネルで天頂及び水平8 方向から任意の方 向を選択し、拡声する。ドーム内の音像定位は BSS AUDIO のシグナルプロセッサーで制御。 |
2012年4月にリニューアルした最新鋭のプラネタリウム
「かわさき宙(そら)と緑の科学館」は、川崎市の自然学習における拠点施設です。今回、人気のプラネタリウムを全面的にリニューアル。地元出身のプラネタリウムクリエーター、大平貴之氏が手掛けた最新の投影機を導入し、世界最高クラスの美しい星空を体験できるようになりました。上映番組は毎月変わる科学館のオリジナルコンテンツで、その時々に観察できる天文現象を、専門の解説員がわかりやすくライブ解説します。
無限感と声の明瞭度を求めJBL PROFESSIONALのスピーカーを採用
音響設計を手がけたのは新宿・渋谷駅の発車ベルシステムや、表参道ヒルズなどの空間音響をプロデュースした井出祐昭氏。今回の改修では音響設備を一新し、空間の無限感、そしてライブ解説の声の明瞭度を追求したシステム構築を行いました。
スピーカーはJBL PROFESSIONALの2ウェイフルレンジ、AM5215を採用。「高域の煌めきや中域の独特な音色が気に入りました。パッシブネットワークでありながら高音質なのも選定理由の1つです」と井出さん。スピーカーの性能を十分発揮できることを大前提に、方位に整合する定位感、どの座席からも均一に聞こえる音場、そして轟くような低域再生を狙って配置・調整を実施。また、中域の輪郭と押し出し、高域の透明感を獲得するべくBSS AUDIOのシグナルプロセッサーで音質を整えました。パワーアンプはAMCRONのMA-5000iをメインに採用。「パワーアンプの音質に対する貢献度は極めて高かったです。芯がありながら柔らかく、かつ透明な音が得られました」と高い評価をいただきました。
プラネタリウムは、その建築形状からくる反射音に悩まされ、音響調整が非常に難しいそう。今回の改修については「建築音響環境が整備されており、かなりデリケートな音場調整ができたので、目的である無限感と声の明瞭度を実現できました」と完成度の高さが窺えます。全体の成果について「天から降り注ぐような音場体験や、床面が振動するような体感的な低音体験を提供できるシステムに仕上がりました」と語ってくださいました。
主要な納入機材
機材 | ブランド名 | 製品名 |
スピーカー・システム | JBL PROFESSIONAL | AM5215/66、ASB6115 |
パワーアンプ | AMCRON | MA-5000i、CTs2000 |
シグナルプロセッサー | BSS AUDIO | BLU-160、BLU-120、BLU-BOB1 |
▼かわさき宙(そら)と緑の科学館 |
井出祐昭氏プロフィール
井出祐昭 Sound Space Composer |
音に関する最先端技術を駆使し、音楽制作、音響デザイン、音場創生を総合的にプロデュースすることにより様々なエネルギー空間を創り出す『サウンド・スペース・コンポーズ』の新分野を確立している。
主な音響作品として、新宿・渋谷駅の発車ベルシステム、NHKスペシャル『月山』、東京銀座資生堂ビル、BVLGARI save the children、PACIFIC FLORA 2004 シンボルガーデン、愛知万博瀬戸愛知県館、MEGASTAR プラネタリウム、表参道ヒルズ、TOYOTA i-REALコンテンツなど。立体音響や発音方式等で特許を取得し、著書に、『見えないデザイン~サウンド・スペース・コンポーザーの仕事』(ヤマハミュージックメディア)がある。