帝国劇場 様
「帝劇」の通称で親しまれる帝国劇場様は、『レ・ミゼラブル』や『ミス・サイゴン』など海外からのミュージカル作品も多数上演される名劇場。一流の俳優と演出家による公演が日夜行われています。このたび、ステージのミキシングコンソールにDiGiCoのSD10Tが導入されました。「T」のつくモデルは、プレイヤー設定やマトリクスノードディレイなど、劇場や演劇に特化した機能を持たせたシアターバージョンで、選定の際の必須項目となりました。また、初導入となった32bit AD/DAコンバーター搭載のI/Oカードにも高い評価をいただきました。
2018年7月運用開始
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▲DiGiCoデジタル・ミキシングコンソール「SD7T(左)」と「SD10T(右)」
オペレーターの株式会社フリックプロ 秋山斎裕さんにお話をうかがいました。「2012年のミス・サイゴンの上演時にイギリスのプランナーからの指定でSD7Tを導入したのが最初で、それ以来DiGiCoの使いやすさを実感していました。特に、シアターバージョンの使い勝手が抜群で、コントロールグループのアサインとマトリクスディレイがすごく使いやすい。それに、同じ役を複数の役者が演じるミュージカルでは、役者ごとにEQなどのかけ方が違っているので、昔の卓だとその都度変更しなければいけなかったけれど、シアターバージョンのプレイヤー機能を使うとその必要がない。それぞれの演者の設定が全部のシーンに反映されるので、とても便利。日本のミュージカルでは、役者のワイヤレスマイク用とオーケストラ用で別々の卓を用意して2人でオペすることが多いため、スペースのことも考えてSD7よりもコンパクトでシアターバージョンがあるSD10Tを選びました。」と、SD10Tを選んだ理由を語ってくださいました。 「DiGiCoがすごいと思うのは、基本ソフトが同じところ。ボタンの位置が違うなどSD7とSD10の物理的な違いやフェーダーchの制限があるくらいで、ほとんど違和感なく使えました。オフラインソフトも見た目の画面も全く同じ。PCで組んだものがそのまま卓の画面に現れるから、ストレスなく移れたのでとても助かっている。」とのこと。全モデル共通というDiGiCoの操作性が、新しいコンソール導入後もスムーズなオペレートを可能にしています。 |
▲SD-MINI Rackに収まっているI/Oカード
青いカードが32bit ADC搭載のマイクプリと32bit DAC搭載のアウトプットカード
「32bitのインプットは素晴らしい! 今までとは別次元。」と、手放しの高評価をいただきました。「最初は、32bitがどれだけのものか想像もつかなかったけれど、使ったらもう元には戻れない。」とのこと。スピーカーやワイヤレスは今までと同じシステムなのに、マイクチェックで感じるダイナミックレンジの広さや明瞭度が大分違うという。特に30人ほどでの大コーラスの際、「フェーダーがワッと上がった時の感じ。団子にならずに、一つ一つがはっきり見える感じがする。」と。「無理を言って入れて良かった。」と破顔されました。 |