Si Compact 製品レビュー③ 前編
伝統の「Soundcraft」サウンドを継承しながら、圧倒的なコスト・パフォーマンスを実現した新型デジタル・コンソール「Si Compact」。軽量/コンパクトで運用性能にも優れる同機は、昨年の発売以降、世界的なヒット製品となっており、ここ日本でも多くの現場/会社が導入し始めている。つい先頃、待望のiPad用コントロールApp「ViSi Remote」もリリースされ、その注目度は今後ますます高まることだろう。本誌ではここ何号かにわたって「Si Compact」のレポート記事を掲載しているが、今号では同機を導入したPAカンパニーのインタビューを紹介することにしよう。ご登場いただくのは、イベントを中心に手がけるPAカンパニー「タツサウンド」で、同社では今年初頭に24フェーダー仕様の「Si Compact24」を導入、既に多くの現場で活用しているとのこと。同社の代表取締役、高橋大輔氏に、「Si Compact」導入の経緯と使用感、気に入っている機能について話を訊いてみた。(プロサウンド編集部) | |
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先代である父親の影響も大きいんですが、ぼくは「Soundcraft」のコンソールが好きなんです。16歳のときにこの業界に入りましたが、先代がつくる音が凄く良くて、何でこんなに良い音なんだろうと思っていたら、それを紡ぎ出していたのが「Series 8000」だった。もちろん先代の腕もあるんでしょうけど(笑)、そのときの印象が強烈で、ぼくの中では「Soundcraft」のコンソールは、音が良いというイメージです。国産のコンソールとはまるで違う出音の良さがあるというか、とにかく太くてしっかりしたサウンドなんです。それでいてまとめやすい。海外製なのに、それほど高価ではないというのも魅力ですよね。 | |
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弊社では現在、「Soundcraft」のコンソールは「Vi6」と「Si1」を運用しており、他社のものも含めると何台ものコンソールを所有しています。しかし40chか16chのいずれかという感じで、その中間のものがありませんでした。そこが少し不便に感じていたので、新しいコンソールを物色した結果、24フェーダー仕様の「Si Compact 24」を今年の頭に導入することになりました。 「Si Compact」を選定したのは、「Soundcraft」製であることももちろんですが、コスト・パフォーマンスの良さと「Vi6」のステージ・ボックスを使い回せる点が決め手になりました。それと機能も細かくチェックした結果、不足している部分が無かったというのも導入を後押した理由です。このクラスのデジタル・コンソールは、グラフィックEQが入っていなかったり、チャンネル・ダイナミクスが無かったり、何かしら不満な点があるものですが、「Si Compact」は十分なスペックに仕上がっていた。本番では外部エフェクターは必要なく、CDプレーヤーさえあればOKでした。 24フェーダー仕様ということに関しては、このくらいがちょうどいいだろうという判断で選定しました。イベントの現場ではフェーダー数は必要になりますが、32フェーダーもあると他のコンソールとの使い分けが難しくなってしまいます。24フェーダーくらいがちょうどいいだろうと。それと「Si Compact」は、筐体がコンパクトなだけでなく、スリムなのがいいですね。コンパクトでも厚みがあるものもありますから。その点、「Si Compact」はハイエースに積んで気軽に持ち運ぶことができます。 | |
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